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Many Thanks, Much Love

大きな愛にたくさんのありがとう

ネックレス

2022年

​スターリングシルバー(ロジウムメッキ)、K18、デュモルチェライトインクオーツ、アクアマリン、南洋真珠、あこや真珠、淡水パール、ピンクサファイヤ、イエローサファイヤ、CZ

​亡くなった父との思い出をネックレスにしました。

父が亡くなってから、時間が止まった様で、どうしても創造的な気持ちになれず、様々な手続きが忙しかったのもありますが、なかなか制作を再開することが出来ませんでした。

それでもギャラリーから展示の期日をいただき、父との思い出を作品に残さないと次に進めないように思ったので、1ヶ月の短期間でしたが、ネックレスにまとめました。

 

思い出すエピソードは全て、日常のなんて事ない事ばかりですが、私の中ではどれも大切でキラキラ煌めいていました。まるで心の中で揺れる花の様に感じました。

 

心の中の思い出のお花畑(一つ一つの花の中に思い出が咲いているイメージ)で、父との思い出の花を摘んできて、作品にしよう。最初はそう思いました。

そしてゆっくり考えて、お花をたくさん摘んだらどうする?と自問した時、フラワーレイだなと思いました。シロツメクサの季節には必ず花の冠やネックレスを作りたくなる私です。

 

幾何学的でお花らしからぬ花ですが、私の中での心の花の抽象的表現としての花輪のネックレスなのです。

葉っぱにはデュモルチェライトインクオーツを使いました。小さな青いデュモルチェライトの結晶が水晶の中で結晶している美しい石。思慮深い雰囲気が父と重なりました。

 

(一つ一つの細かなディテールとエピソードは下のstoryからご覧いただけます。)

 

先日テレビでツタンカーメンのドキュメンタリーを見たのですが、ツタンカーメンのお墓が発見された時、棺の上に花輪が置かれていたそうです。奇跡的に朽ちることなく、花の形を残していて、発掘隊はその花輪を置いた人物(多分奥さん)の気持ちを感じて、胸が熱くなったそうです。

その話を聞いて、花を供える気持ちは太鼓の昔から、そして世界のどこだって人間にとって自然なものだったのだなと思いました。

やっぱり花輪のネックレスで良かった。

 

この作品を作って、不思議体験をしました。父が亡くなり、悲しい気持ちが大きかったのですが、一つ一つの思い出のシーンを作るにあたって、生きていた父に焦点を当てていたことで、悲しみが感謝と愛に変わった様に思いました。作りながら「ありがとう」を沢山とその大きな包み込む様な愛を常に感じて制作していました。そしてそのままそれをタイトルにしました。その言葉しかなかった。

 

不思議なのですが、作る過程を経て、とても軽くなりました。このネックレスの中で父は生き生きと生きている。これは私の実話の詰まったネックレス。ノンフィクションジュエリー。大切な思い出が輝くジュエリーです。

​ストーリーの詳細についてはコチラ

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