I wish I could
出来たら良いのにな
2021年作 ネックレス
シルバー、k18、ハードメープル、cz、ピンクトルマリン、七宝、パール、グリーンクオーツ
コロナのパンデミックをテーマにした「upended lives」展(ボストン モビリアギャラリー)に出展した作品です。
コロナがテーマと聞いて、最初何も進められずでしたが、本当に素直な自分の気持ちに向き合うと、「会いたいのに会えないなぁ」「集いたいのに出来ないなぁ」「触れたいのに遠いなぁ」と、stay home の日々をネックレスにすることに。
3.11の時も思ったのですが、当たり前だと思っている日常は、実は貴重で、輝いている。と。
「xxできたらいいのに」と妄想に浮かぶモヤモヤを一つづつ、宝石の形のような雲のようなパーツに表現して、ネックレスにまとめました。
クラスップにはベランダから外を眺めて「I wish I could」と呟く現実世界の主人公。
当たり前だった日常は、もはや雲の中の妄想の世界。
このネックレスの 主人公は、海外に留学している家族とも恋人とも離れ離れの学生の女の子。
内容はフィクションです。
私はNYに留学していた時、9.11がありましたが、あの状況でコロナだったらと考えた時、すごく孤独を感じました。
コロナ禍で、家族と恋人と離れ離れ、1人で過ごした人はきっと沢山いただろうと思います。
NYにいた時、よく部屋のベランダから1人で外を眺めていたなと。街の灯りが少し心を癒やしてくれたのかもしれません。だからそんなクラスップを作りました。
離れ離れの家族や恋人。早く会って触れ合えますように。コロナが終わって、また自由が戻りますように。
そして、当たり前の日常を、シンプルに人と会い、触れ合うことのいかに貴重で大切なことかと、あれほどまでに強く思った日々を、これからも忘れずに生きていけますように。