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ヘレンドラットのためのブローチ

 

2021年作

シルバー(ロジウム、k18yg、k18pgメッキ)、メタクリル樹脂、ルビー、色んな色のサファイヤ、cz、さんご

NYのアートアンドデザイン美術館からの依頼で、ギャラリストのヘレンドラットのために彼女の人生のストーリーが詰まったジュエリーをプレゼントしたいというオーダーを受けて作りました。

ヘレンドラットさんというとアメリカのコンテンポラリージュエリー界を作ったような存在です。一目置かれるギャラリストで、何と(2021年)現在91歳ですが、まだピンピンにお元気でジュエリーのイベントにはとびきりのオシャレで出席されています。とても素敵です。

私は20年前、アメリカのアートジュエリーに憧れて、NYに留学。FITというファッション系大学でジュエリーメイキングを学びました。その頃の私の憧れは、いつか有名なギャラリーに作品を置いてもらえることと、クラフト美術館に作品を収蔵してもらえること、でした。

有名なギャラリーは色々ありましたが、フィラデルフィアのヘレンドラットギャラリーにはとても憧れていました。それでも当時、日本人作家を多く手掛けているボストンのモビリアギャラリーに作品を見せてみることを決めて、本当に扱ってもらえることになり、今に至ります。

もう一つの夢、当時はまだアメリカンクラフト美術館という名前でMoMAの目の前に建っていましたが、アート&デザイン美術館に作品を収蔵してもらえること。これは2011年に叶いました。

けれども、その憧れの美術館から憧れのギャラリストへのプレゼントを、この私にと名指してくれたのですから、本当に光栄で、嬉しくてたまりませんでした!
しかも彼女の人生をジュエリーにしてほしいという依頼です。ノンフィクションジュエリーと名付けた、この新しい形のオーダーメイドジュエリー。私が残りの人生、これをやっていきたいと思っている、そのカテゴリーでオーダーを頂き、ただただ感激しました。

スケジュールは物凄くタイトでしたが、頑張れば何とかなりそうと思いました。1日1日失敗が許されず緊張しましたが、美術館の方々の支えもあり、なんとか作り上げました。

ジュエリーは家でも飾れるように額も手作りしました。
そして、大変喜んで頂けたそうです。ホッとしました。嬉しいです。
ヘレンドラットは本当にモダンで革命的なジュエリーが好きな印象だったので、私のジュエリーでは優しすぎるのではないかと心配しましたが、よかったです。
この仕事をさせて頂いた事で、とても大きく前進できたように思っています。

-STORY-

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