the movie of new works 2011

Jewelry and Movie : asagi maeda
Music : organic stereo

2011年10月19日から1ヶ月間、モビリアギャラリー(ボストン、アメリカ)での個展のために制作したビデオです。


日本語訳:
当たり前だと思っていた日常が一瞬にして崩れ去ってしまった3月11日の大地震の後、私たちの価値観は変わったように思う。余震と原発の恐怖に怯えていた時、一番欲しいと思ったものは、呑気に過ごす休日のような、穏やかな時間だった。
平和に流れる時間というのは、人生の中で最もかけがえの無いものだと思った。
休日のような平和な時間を感じることの出来る作品を作りたいと思った。
大きな出来事もないけれど、穏やかな風に吹かれながらのんびりと過ぎていく日常のようなジュエリー。
心からホッと出来る時間のようなジュエリー。


ポプラ並木にて
ふーむ。僕は一体どこにいるんだろう?
ブン、ブン、ブン(ヘッドフォンから漏れる音)
アハハハ,ハハハハ(笑い声)
フン♪フン♪フン♪(鼻歌)
チュンチュン(鳥の鳴き声)
ワンワン(犬の鳴き声)
ささやき声...


ポプラ並木の一日
午前3時 静けさと闇の中、まだ鳥達は眠っている。
午前6時 日が昇る中のジョギング
午前9時 新鮮な空気と緑の中のサイクリング
正午   そよ風と鳥の鳴き声。新聞を読みながら外でランチ。
午後3時 木漏れ日の中のお散歩
午後6時 夕焼け色に染まりながら日没を見る。
午後9時 月光の中、ロマンチックな夜の始まり


椿通りにて
椿がそろそろ咲きそう。蕾みでいっぱいになってる。
椿の花が咲き始めた。僕は歌を作った。
お父さんが抱っこしてくれて、近くでお花を見ることが出来た。
鳥達も嬉しそう。春の到来が分かっているのかな。
椿が沢山咲いて来たから、妻を誘って散歩する。
椿があんまり綺麗だから、今日は外でランチをしよう。
満開の椿の下で、僕たちは恋に落ちる。


絵本のように、私はジュエリーに物語を付けるのが好きだ。
チェーンは時間の繋がり、留め金は物語の最初と最後を意味している。


僕の普通の一日
朝起きて窓を開ける。
それでね。
鳥達に挨拶する。おはよう!元気?
それでね。
顔を洗う。
それでね。
ママのおいしい朝ご飯!
それでね。
遊びにいってきます!
それでね。
隣のおじさんにはいつも挨拶するよ。良い子だからね。
それでね。
自転車に乗って、街に出るんだ。
それでね。
うわさ話してるおばさん達の前を通り過ぎて。
それでね。
手品師がいたから、少し立ち止まる。
それでね。
このおじさんはいつも同じ場所で釣りをしてるんだ。
それでね。
待ち合わせの木の下に到着。
それでね。
一緒に秘密の隠れ家に行くんだ。
それでね。
日が暮れるまで遊ぶんだ。
それでね。
おうちに帰るよ。なんて凄い日だったんだ!
それでね。
もう寝ます。おやすみなさい。


いつも電車の窓から東京の街並を見るのが好きだった。沢山の家、マンション、ビル。。。街は箱の集まりだった。その箱一つ一つの窓の中には知らない人の生活があって、無限の物語が展開している。それは想像ではなく、実在しているということに圧倒された。それが私のもの作りの原点。


夢の百貨店
地下 花とお菓子、花屋、菓子屋
2階 アクセサリーと靴、アクセサリー、靴
4階 紳士服とアクセサリー、オーダーメイドカウンター、靴、鞄、シャツ
5階 ベビー/子供服とおもちゃ、おもちゃ屋、ベビー/子供服、生まれてくる子に服を選ぶ夫婦...


アパートメントペンダント
かわいらしいお友達にチェリータルトを焼く。
小さな娘のための小さなドレスを作る。
ジュエリーを作る事。それは幸せを形にすること。
寿司が食べたくて、思わず出前に電話する。
スクラッチ=宇宙共通語
さて、世界では何が起きてるのかな?
結婚してくれますか?
こんなに小さなことで、ハッピーになる。


古い日記
古い日記を開いたら、まるでタイムトリップしたみたい...


宝石って、何だろう?
私にとって、宝石とは...


宝石は愛。ダイヤモンドじゃなくて。
宝石は絆。2人の運命を感じた瞬間。
宝石は食べ物。食べる喜び。
宝石は家族。貴重な宝物。
私は宝石を自分の想像の世界に持っている。


このフィルムの音楽はオーガニックステレオのデイリーメロディアという曲です。「普段何となく無意識で耳にしている音が、自分の心の変化で輝き始めるような、そういった感覚を大切に制作しました。」とオーガニックステレオこと、森川裕之さんの言葉。
彼の曲作りのコンセプトや音楽は、私のジュエリーにとても良く似ているのではないかと思い、一緒に作品を作ってみようと思った。ジュエリーに音楽を付けてみたかった。
私のジュエリーの中の、のんびりとした平和な時間を、目で見るだけではなく耳でも聴いて、音と作品の両方から感じとってもらえたらと思った。


帰るべき家のような、安全な場所のようなジュエリーを作りたいと思う。
そこでは、あなたは守られていて、本当の自分に帰り、自由になれる。
あなたを傷つけるものは何もないから、何も恐れる事もない。
いつまでも子供のように遊んでいて、地球は暖かくあなたを包む。
それで、私のジュエリーがあなたの心の中の最も美しい部分と響き合って欲しいと思う。
その、心の中の最も美しい部分こそ、本当の意味での宝石だと思うから。